2013-02-25

PNG2013 trip journal "real adventure trip idea"




 kids in the beach


今回の僕の旅のミッションは3つ、日本で集めた画材を持って行っての子供達とのアート教室、去年ジェシー一家からもらったファミリーの証PIGTUSKのお礼、そしてPNGのサーフィンオフシーズンでのSUPアドベンチャー企画の可能性の模索。

「リアルアドベンチャートリップ」
11月〜3月までの4〜5ヶ月間はサーフィンのオンシーズンで、ワールドクラスのブレイクを楽しめるPNG北側。
残りの8ヶ月はサーフィンができないフラット状態らしいです。

で、僕は考えました「サーフィンオフシーズンにSUPで村から村へ泊まり歩く本物のアドベンチャーツアー」を。
ジャングルのなかの自給自足の村に泊まる。それは僕たち先進国の人間が失ってきた「本物の生命力と人間力」に触れ、シンプルな本当の豊かさ体感できる機会。しかもそんな村に海から上陸する冒険心あふれるワクワク感。同じ村を訪れるのでも陸から行くのと、海から上陸するのではまったく感覚が違います。しかも自力でパドルして移動するわけですから
「未知の土地への上陸感」は絶大です。作られた「観光」ではなく、本物に触れる旅。
プロの旅人としてそんな旅を企画して仲間とシェアできたら最高。


tandem riding with a kid 

ターゲットマーケットはサーファーではなく、アクティブで冒険心ある旅人。だれでも2〜3日あれば完璧に乗りこなせるiSUP。しかもサーフィンオフシーズンでフラットな海なのでパドルしやすく海岸線沿いに移動するので比較的安全。
ベースとなる村で最初の3泊くらいをゆったりみんなでSUPの練習しながら海とジャングルを満喫。(釣り、シュノーケリング、カヌー、ジャングルトレッキング、波がなくても楽しめる要素は沢山あります)そして4日目にグループの力量によって目的地となる村や途中宿泊するポイントを決め、そこから2〜3泊のアドベンチャートリップ。バックパックに何を詰めてパドルするか、本当に必要なものを吟味してそれを背負ってSUPクルージング。たった3日でもコンビニも電気もないところに何を持って行くか、この出発前夜パッキングだけでも真に何が必要かを考えるいい機会だと思います。そして村の生活をシェアさせてもらう。きっと人生最高な1週間の旅になると思う。

そんな構想をパプアニューギニアのサーフィン協会会長のアンディーや日本の政府観光局の山田さん、旅行代理店のSTWの木下さんのキーパーソン3人に話をして聞いてもらい、いい感触を得てました。が、やはり百聞は一見にしかずっていうことで今回の旅で、山田さん&木下さんに実際にPNGでSUPクルージングしてもらってこの企画の良さを体感してもらい、「リアルアドベンチャートリップ」のポテンシャルを感じてもらおう!そんな僕の中でのミッションでした。
 
どうしても乗るまでは「波にも乗らないのにパドルして何が楽しいの?」ってサーフィン関係者には思われがちなSUPですが、山田さんも木下さんも実際に乗ってもらってすっかり面白さをわかってくれたようです。
特に木下さんがハマってテュピラからスクラまでロングパドルを僕と一緒に行ったり、一人でも湾を渡って他の村に上陸したりしてました。

5月にまた木下さんと一緒に再度渡パプし、
1、ほんとにオフシーズンは波がないのか?
2、アドベンチャートリップのルーティングと泊まる村の選定
3、プロモーション用のビジュアル素材の撮影
をしてくる予定です。上手くいけば今年のシルバーウィークには第一弾できるかも!?
こんな海をのんびりSUPクルージング!
secret  beach point 

パプアニューギニアのサーフィンをはじめとするウォーターアクティビティー観光業はアンディー達の努力のおかげで、自国の貴重な資源を目先の利益のために切り売りせず、真の意味での「持続可能な」発展をめざしてます。バリやハワイのような海外の資本ががっつりはいって荒稼ぎして、自然を壊して、地元の人にはお金を落とさないような踏んだり蹴ったり構造にはしないで、独自のシステムを構築、運営しています。

どういうことかと言うと、例えば美しい自然に囲まれた100人規模の村があるとします。
この村人達が無理なく受け入れられる旅行客人数が10人だとしましょう。そこに100人泊まれるようなリゾートホテル施設を作ってしまうと、他の村や島から出稼ぎの人が必要になります。常時100人の旅行客が来ているうちはいいですが、10人のときもあれば5人のときもでてきます。そんなことが続けば他の地から出稼ぎに来た人は仕事にあぶれ、ドラッグを売り始めたり売春しはじめたりと終への始まりに。そして気がつくと自分たちの資産でありアピールポイントの「美しい大自然やあったかいローカル」も減って行きます。
そこからの退廃はものすごいスピードで進みよく東南アジアやビーチリゾートで見られる光景へと変化していくでしょう。そうならないように、宿泊できる人数を制限し、自然を壊さず、きちんと地元の人に利益が落ちる、持続可能な観光業。

マインドの低い観光客を大量に送り込んでおおくの利益をだすよりは、短期的な利益がすくなくても質のいい観光客をすこしづつ増やしリピートさせていくPNG独自のスタンス。そんなスタンスにもこの「リアルアドベンチャートリップ」はぴったりだと思います。
この訪れる人数を限定し地元の人にきちんと利益を還元する持続可能な観光業の発展をアンディーは「リバーススパイラルモデル」と名付け、いまではいろんな観光を収入源とするいろんな国から招かれ講演をしています。訪れる人たちの満足度も高い上に持続可能で、なにより地域の人の利益にきちんとなる、すごいシステムだと思います。

SUPでジャングルの中を村から村へ泊まり歩く「リアルアドベンチャートリップ」。参加した人が人生最高の旅!って言えるようなものを作ろうと思います。